2006年06月23日

治療プログラム(11)-2

第11回(2006年6月20日 火曜日)

僕が次に目を付けたのは、どう説明したらいいかよく分からないが、自転車のペダルのようなものが横につながっていて、それぞれの脇に車輪がついており、ペダル(大人の足がちゃんと乗っかる大きさの板)の上に乗り、バランスをとりながら、漕ぎ進んでいくもの。

これがまた難しい。バランスを崩すとすぐに転んでしまう。

先生は、僕が転んで怪我をしないか、ハラハラ、どきどき。とうとう観ていられなくなり、僕の手をつかんで支えてくれた。前に行ったり後ろへ下がったり、おもしろい!

そして、何と先生も挑戦した。

今度はママが、先生が転ばないか、ハラハラ、ドキドキ。僕が先生の手をつかんで、ママが後から付いてきた。 先生はきゃっきゃ言いながら、無事に部屋の端から端まで完走できた。先生も一緒に遊んでくれるなんて、何だかうれしかった。

僕がそのあと、また鳥の羽で遊んでいるときに、ママと先生は机に戻って、二人で話し始めた。

先生「私は専門家じゃないから、どうしたらいいかよくわからないわ..。」

ママ「そうですねー...。あ、そういえば最近こんなことがありましたよ。」


僕とママが、初めての家に行った時のこと。初めて会う人の前で、僕は当然のごとく、固まった。ママは、それでも僕が嫌がらずに、中に入ったことだけで、ホッとした。

最初は、家の中で、ママとママの友達が話している間、僕は、ママの友達の子供(僕と同じ年頃)と、電車で無言で遊んだ。

そのうち、ママが僕がシャボン玉が好きな事をママの友達に告げると、じゃあ、シャボン玉やろうか?という事になり、4人で、庭に出た。

シャボン玉用の小道具がいっぱいあった。いろんな形のシャボン玉が出来、次から次へと空に飛んでいった。 僕は、シャボン玉を追いかけながら、きゃっきゃ、言っているうちに、われを忘れて夢中になり、初めてあった人達の前で、ママに普通に話すようになった。ママもびっくり。こんなにすぐに打ち解けるようになるなんて。

それからもう一つ。 ロンドンのパパの家に行った時のこと。そこには、クリオという子猫がいる。僕はその猫が大好きだ! 

その子猫と遊んでいたときに、おばあさんが何か僕に言った。僕は何のためらいもせずに、おばあさんの問いかけに答え、またクリオと遊び始めた。側で聞いていたママは、またまたびっくり!

僕はそれまで、おばあさんが何か聞いても、何も答えなかった。ママはそりゃそうだと思っていた。というのは、おばあさんは強制的に僕に話させようとしていた。たとえば、しゃべったら、お菓子あげるとか、しゃべったら、僕に子猫を買ってあげるとか。

ママは、僕の家で猫を飼うことは反対しているので、そんな余計な事言わないでください!と、心の中でちょっと怒っていたが、何と、そんな誘惑にのせられなくても、僕はすんなり、おばあさんにしゃべっていた。 

この秘密の鍵は一体何なんだろう?

そうだ!僕は好きな事に夢中になっていると、ガードが取れて自然と言葉が出てくるようになるのだ。

早速このことをアシスタントの先生に言うと、じゃあ、この次はお天気が良かったら、外でシャボン玉やりましょう!と言ってくれた。やったー!

それから先生は、僕に、パパの家の猫の名前を聞いた。
僕はすかさずホワイトボードに走り、ペンを取った。

ママと先生は、きっと名前を書くんだわ!とわくわくしていた。

ところが、僕が書いたのは、ぐちゃぐちゃの線! なアーんだ。ママたちはちょっとがっかりしたが、僕はクリオと書きたくてもどう書いていいか分からなかったんだ。 でも、先生はママにこそっと、名前を聞きだし、猫の名前を当てるふりをした。

「クリスティ−ン?」
 首を振る
「クロエ?」
 首を振る
「エーと....。クリオ!」
 うん、うん。(うなずく)

何で分かったんだろう? でも、クリオの名前を聞いて、僕の顔はパーっと明るくなった。早くクリオに会いたい!

そして、あっという間に時間がすぎた。

今回は、先生も同じ部屋にいたので、言葉は出なかったが、先生の質問にはもじもじせずに、すんなり応じることが出来た。

また、サーカスマンのまねやりたいな。
posted by なんでさん at 20:24| Comment(3) | TrackBack(0) | 場面緘黙症治療(Reception Year) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
なんでさん、kikiさん、こんにちは。
実は、昨日かなり長いコメントを書いたのですが、どういう訳か画面がおかしくなって、コメントが消えてしまいました!それで、もう一度書き直しています。

なんでさん、ブログが進行してついに Up to Date になりましたね。オラニオス君、TAと一緒にいることが楽しくなってきたようだし、声が出るまであと一歩だと思いますよ。頑張れ〜!
オラニオス君も、kikiさんの息子さんも、最近になって色々な進歩が見られ、本当に嬉しく思っています。良かったね〜!特に、うちの息子は大の電話嫌いで父親からの電話にもでないくらいなので、電話でちゃんと話せるって羨ましいです。(ずっと前に練習用に購入したトランシーバーは玩具箱の奥で眠っています...)。普通の人にとっては当たり前のことが、緘黙児の母にとっては大感激ものなんですよね。うちの息子も2週間ほど前から、グループセッションの時間にTAと小さな声で話せるようになりました。昨年10月頃から、徐々に先生や友達の耳元で囁けるようになり、このハーフタームから次の段階に行けそうな気配があったのですが、ここまでくるのに約9ヶ月...。ゆっくり確実に前進してくれれば、と願っています。

kikiさん、有能なセラピストが見つかって良かったですね。一回目のセッションで会話を引き出せるなんて、すごいです。でも、プライベートだと費用もかかるし、大変ですね。オーストラリアでは学校のサポート体制は整ってますか?イギリスの他の地区はどうなのかは分りませんが、私の住んでいる地区では、NHSの小児発達クリニックと学校が直結していて、そこで紹介されたスピーチセラピストは学校に送られました。なので、私自身もセラピストと会ったのは、SENCOとのミーティングの時のみで、話す機会もあまりありませんでした。殆ど説明もなく一体彼女が何をやっているかよく解らないうちに、セッション(観察?)は終了してしまったという...。だから今うちはセラピストなしで、学校の協力に頼っているだけの状態なんです。ただ、息子は集団が苦手と解ってくれているので、なるべく小グループで活動させるなどの配慮をしてくれます。今のところ順調に回復しているようなので、このまま様子を見るつもりです。kikiさんは色々勉強されているうえに、多くの緘黙児のご家族と連絡を取られていて、頭が下がります。
それから、サマーキャンプに関するアドバイス、ありがとうございました。うちの地区では学校の施設を借りて子供たちに遊びやスポーツ、アートなどの活動をさせるスキームがいくつかあり、これらもサマーキャンプ(デイキャンプ)と呼ばれています。幼稚園の時は、仲の良い友人達と週3回通わせてOKだったのですが、昨年はスタッフのひとりにくっついて一日中殆ど何もせず...。長い夏休み、友達と遊ぶと言っても限度があるし、今年はどうしようかと悩んでいるところです。仲のいい友達が参加するのなら、試してみようかなとは思っているのですが、無理させて症状が悪化したら怖いし...。悩みは尽きません。

それでは、お互いに頑張りましょう。
Posted by みく at 2006年06月24日 08:48
Miku様
なるほどサマーキャンプの意味がわかりました。
サマーキャンプ=アメリカ風長期宿泊学習だと思い込んでおりました。
サマーキャンプはこちらで言うホリデープログラム(学童?)のことなんですね。
ホリデープログラム、うちの子供達は参加させた事がありません。
なぜかは前に書いたとうり夏休みはクリスマス休暇とかさなるので5週間のうち半分くらいは家族でどこかに行くことが多いからです。
1月第二週目くらいまでプログラムも無いですしね。
他のタームごとの休みは殆んど毎日プレイデートで呼んだり呼ばれたりが多いです。(さあ明日は3人sleep overに来る。うちの子ども達含めて男の子5人は結構恐ろしいです)
それとうちは自営業なので働く時間はある程度コントロールできるから参加させたことがないのですが今の長男の状態は全然知らない子とは話せる場合が多いので他校のプログラムに参加させてみようかなあと思っています。
ホリデープログラムは学校で行われる場合が多く越境で利用出来るらしいです。

オーストラリアの学校でのサポートはどうでしょう?いい部分も悪い部分もあると思います。
私が気になってるのがこちらの学校は個人のデスクは無く、グループのテーブルで学びます。
日本は一人でひとつの机がありますよね。引き出しがあって自分の教科書や持ち物を入れる事が出来る。
イギリスの学校も主人曰く同じもしくは2人がけの机だそうですが(今もそうですか?)こちらは教科書もなく自分の筆記用具もありません。
円卓に5−6人がシェアし助けあって学びます。
テーブルごとにするプログラムも違います。
Aテーブル(グループ)が先生とグループディスカッションをしている間はBテーブルは課題のプリントを一緒にやり、Cグループは親ボランティアとリーディング、Dグループはプロジェクトをするというのをローテーションで授業が進みます。
日本のように皆が一斉に先生と黒板に向かって同じ事をやらないので長男のように自意識過剰な子はやりにくい環境ではないかと思います。
完全主義で失敗を非常に恐れているので5、6人に囲まれているというのはかなり苦痛なのではないかと思います。
よっっぽどイギリスに引っ越そうかと思っったくらいです。
とりあえず新しいセラピーの方に関しては神様に感謝するくらいの幸運だと思ってますので様子を見てみるつもりですが...。
この国のサポートに限界を感じたら帰英を真剣に考慮するつもりです。

息子さん進歩があってよかったですね。
今は信じてあげることが必要だと思います。
後戻りが少しくらいあってもその後に大きなステップがあるかもしれませんよ。
あたって砕けろも時にはあっていいと思います。
長男がうちの従業員の娘さんと話したきっかけは私のプッシュでした。
私が言ったのは
「you know you will never see her again. so have fun.」
この時は本当にこの子を預かることはないと思ってたのでそういったのです。
それから長男は少しずつ話はじめ、驚いたことに2回目に預かった時にも最初から固まらず話してましたし3回目はもっと突っ込んだ会話になっててびっくりしました。
2回目の時は「i still don’t like girls.」といってたのが3回目では「i want her to come to play with me. can you ask her mom?」になりました。
女の子なんて大嫌いと言ってたのに。
もちろんうちの長男が出来たから他の子が出来るとは限りません。
本当にSMの子は千差万別ですものね。
プッシュするつもりも参考にしてもらうつもりもないです。
ただの体験談と思ってください。

それではまた



Posted by KIKI at 2006年06月25日 00:22
みくさんへ、
そうですね、やっと治療プログラム、現在進行になりました。これから7/3にスピーチセラピストが学校に来て、どういう方向に進んでいくかわかりませんが、あせらずに着実に進歩していければいいなと思います。 私ももう少し勉強しなければ。夏休みの課題ですね。

みくさんのおっしゃっている、デイキャンプ、私の家のすぐ近くの学校でも、一週間ほど行われるみたいです。私達が日本に行く時期と重なるので、参加はさせませんが、もし日本に行かなかったら、参加させたかったです。 でも、息子に聞いて、やりたいと言ったら行かせると思いますが、いやだったら、やめるでしょう。また私が付いていなくてはいけなかったりしたら、自分の首を絞めかねませんから。 私は、ナーサリーで6ヶ月間ついていたので、あのつらい思い出がいまだに抜けません。 
ただ、成長と共に私がいなくても大丈夫になってきてもいるので、積極的に、いろんなことを、やりたさそうだったら体験させたいなと、思います。

KIKIさんへ
イギリスの学校も似たようなものだと思います。教科書もないし、ぺらぺらのブックバックというかばんには、リーディング用の本と、ステッカーブック、読書記録ノートが基本です。宿題も、親にこれを手伝ってください、というようなものだけで、特に明日までこれを提出などと言うようなものはありません。
机も、同じで、一クラス30人で、机が5,6個に、グループに分けて座っていて、同じ時間でも、グループごとに違う事やってたり、一説によると、そのグループは能力別に分けられているとか。親がボランティアで学校に来てリーディングを手伝ったり、昼休み時間に子供達の監視をしたりしています。こういう点ではオーストラリアと非常に似ているのではないでしょうか。

そして、教科書がない分、先生の準備も大変そうで、金曜日の午後は、先生用に授業の準備の時間に当てられているので、アシスタントがカバーしています。

サポートに関しては、息子の行っている学校は、優れているというか、かなり協力的だと思います。公のスクールレポート(4年に一度、学校は、チェックされてその結果もレポートとして公表されます。)でも、子供達の問題点をすばやく見つけ、対処する能力に優れている。学校全体が子供達のことをよく面倒見ている。等、いい評価をもらっています。

子供達のサポートだけでなく、親達が、学校のことだけでなく、家庭のこと、たとえば、夫婦の問題とか、ガス代、電気代が払えなくて困っているとか、何でも相談出来る人とオフィスも備わっています。
学校と家庭が協力し合って、より良い方向に改善して行こうと、努力しているのがうかがわれます。
まだまだ、説明不足かと思いますが、イギリスの学校の様子はこんなところです。

Posted by なんでさん at 2006年06月26日 20:57
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。