彼は、学校では誰にも話をしない。コミュニケーションは、首を立て横に振るか、授業中の先生の質問には、ホワイトボードに書いて答えている。
休み時間には、一人で校庭の隅に立っているだけで、終わるとさっさと教室に入る。
給食のときも、自分が欲しいものを指差すだけだ。
学校以外では、自分の両親と、サミュエルという学校の友達(学校では話さないに)には普通に話している。そして、まったくのストレンジャーなのに、カメラの前でインタビューには応じられる。そこで、語ってくれたのは、
「学校では、話をすることは、ものすごく重荷で、緊張する。本当は、話したいんだけど、何を話して言いかわからないんだ。」
朝、学校へ向かう車の中では、だんだん緊張し始めて、無口になってきて、学校に着く頃には、家にいるときとはまったく別人のようになってしまう。
-- ロバートのような者とは誰も友達になりたいとは思わないだろう。
中学校に進んだら、いじめにあうかもしれない、が、言い返すことも出来ないであろう。このままでは、将来も、パートナーも見つけられず、一人ぼっちで寂しく過ごすようになるのではないか。--
両親の心配は絶えない。
今、何か手を打たなければ、この子はどうなってしまうのであろうか。
悩みに悩んだ挙句、最後の手段として、PROZAC という、抗鬱剤を使うことにした。
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