2008年01月22日

Show and Tell

2006年11月27日(月曜日)

朝いつものように学校に行くと、同じクラスの女の子達が寄ってきて、

「オラ二オス、見て!」と言いながら、ぬいぐるみやら、人形やらを僕に見せた。そして、あたりを見回すと、他の子たちも何かしら持っ来て遊んでいる。そこで、はっと、そうか、今日はShow and Tellの日だったことを思い出した。

僕は完全に忘れていた!

そして、惨めな気持ちになって、いつもの、くっくっ、と抑える泣き方で泣き出してしまった。

ママはShow and Tellの日だと言う事を忘れてはいなかったが、特に僕が持って行きそうにもしていなかったし、毎回持っていかなくても良いので、家を出るときはあまり気にも留めていなかった。

が、何とか僕を慰めようとして、ママは自分のカバンの中をごそごそと探してみたが、これといったものは見つからなかった。

そのうちに、先生が教室から出てきて、僕たちは列に並ばなければいけない時間になった。

僕がまだぐちぐち言っているので、ママは一応先生に事情を話しておいた。

そんなわけで、その日のアシスタントの先生とのセッションはうまく行かなかった。 僕は、ショックと悔しさと悲しさで、一日気分が優れなかった。

Mrs Sが何とか僕の気を引いて一緒に遊んだり、楽器を弾いてみようかと、いろいろ話しかけても、僕はまったくその気になれず、シールは一つももらえなかった。

ママが迎えに来たとき、先生に僕の様子を尋ねると、先生は、子供だから、こんなこともありますよ!とあまり落胆してる様子もなかった。

Show and Tellの時間も、先生は気を利かせて、僕の大好きな地球儀を教室の棚から取ってきて、僕をクラスの前に立たせて、

「日本はどこ?イギリスはどこ?」など僕に質問して、僕はうなづいたり、指で場所を示したりして答えた。

これで、一応僕もShow and Tellに参加した事になったので、すこしは元気になったが、これから月曜日はどんなものでも良いから学校に持っていかないと.....

今まで順調に行っていたけど、ちょっと停滞。先生も言うように、こんな事もあるさ。


posted by なんでさん at 14:55| Comment(25) | TrackBack(0) | 学校生活(Year 1) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年12月19日

賞状をもらう

2006年11月26日(日曜日)

夕方にバレーのスタジオで、試験に合格した人たちへの、賞状の授与式が行われた。

僕も合格したので、試験のときに来たユニフォームをまた着て、パパとママと出かけた。あたりはすっかり暗くなって、ちょっと怖かった。

スタジオに行くと、子供達だけでなく、保護者も一杯で、僕はちょっと不安になったが、ママが僕のすぐ後ろにすわっていたのでちょっと安心した。

いよいよ、プレゼンテーションが始まり、最初は、僕達ちびっ子部門からだった。

いきなり、「オラ二オス クリストドゥルゥ」と一番に僕の名前が呼ばれてしまった。呼ばれた人は前に出て行かなければならない。

ママは、内心、よりによって僕が一番なんて、先生に、友達と一緒にお願いしますって、言えばよかったと、後悔。 僕がためらっているのを見て、自分も一緒にいっても良いですか?といおうとしたときに、またもう一度、僕の名前が、呼ばれた。

僕は、ママのところをもう一度見て、大丈夫だよ、と言うままの表情をみて、立ち上がり前へ出て行った。

先生から賞状とメダルをもらい、先生と一緒に写真を撮ってもらうまで、恥ずかしくて、緊張はしたものの、泣きもせずに、無事に僕の番が終わり、みんなからたくさんの拍手をもらった。

去年、学校でゴールデンルールの表彰の時に、前に行くのを嫌がって大泣きした事を考えると、また、すごい進歩だった。
posted by なんでさん at 22:01| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年09月28日

パラが来る

2006年11月24日(金曜日)

その夜、僕が寝てから(ママも)11時ごろに、パパが来た。
ママは、音がしたので、眠い眼をこすりながら下に下りていくと、パパがかごから、子猫を出しているところだった。
小さなかわいい三毛猫。その猫は、物怖じもせずに家の中を探索し始めた。

かごの中にずっと閉じ込められていたので、開放感であちこち見て周っているんだと、ママはパパに言うと、車の中でかごから飛び出し、あっちこっち飛び回っていたらしい。パパの肩にもちょこんとのったりして、その姿を想像すると、かなりこっけいである。CCTVにあやしい頭の運転手が撮られていたかも知れない。

パパとママは、僕の喜ぶ姿を早く見たかったが、真夜中なので、僕の寝ている側にそーーと猫を置いて、小声で“猫がきたよー”と言って、朝までのお楽しみにするつもりだったが、僕は起きてしまった。そして、子猫が僕のすぐ眼の前にいるのを見てしまってからは、もう興奮して、朝まで眠れなかった。



posted by なんでさん at 21:53| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年09月25日

電話でのReading (3)

2006年11月24日(金曜日)

先生に電話で本を読むのも3回目になって、だいぶ慣れてきた。

今回は ORT Stage2の“The New Trainers” をよんだ。

「Hello, Ouranios!」先生はまた明るく挨拶してくれたが、僕はいつものように無言。ママに催促されて題名から読み始めた。

僕は以外にも自信をもってすらすら読めたので、ママもすこし驚いた。先生も、僕が一ページを読むごとに、「Good boy」,[Well done!]と褒めてくれて、終わると、僕がすらすらと上手に読めたことに喜んでくれた。

その後先生はママに「オラ二オスは毎回よくなって来ていますね。Star of the weekにも撰ばれましたし、Mrs sとのセッションも楽しくやっているみたいですよ。」と言ってくれて、ママもこの調子で順調に進んでいけば、そのうち学校でも話せるようになるかもしれない、と期待し始めていた。 

そして、その夜、とうとう待ちに待っていたものが僕の家にやってきた。
posted by なんでさん at 22:09| Comment(0) | TrackBack(0) | 場面緘黙症治療(Year 1) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年07月27日

放課後の会話練習(7)


2006年11月23日(木曜日)

教室での会話練習に切り替えて2回目。

二つのドアに「Don’t Disturb」の張り紙をして,先生が教室から出て行った途端、僕は普通の声でしゃべりだした。

ママは、こんなすぐにしゃベリ出すなんて、最初から教室一本に絞ればよかった、などと思いながらも、自然に僕の話に付いて来てくれた。

僕はほとんどホワイトボードの前に居て、自分の名前を書きながら、スペルを言って、出来上がると、「オラ二オス!」と、ママに見せて、次に、なぜか、クラスの女の子の名前を書き出した。

特に仲良く遊んでいるわけでもなさそうなのに、同じテーブルだからか、その子の名前を書きながら、スペルを言って、出来上がると、また、ママに見せて、その子の名前を言った。
僕も、なんでその子を選んだか、よくわからないのだが。

そうこうしているうちに、ママは僕がもじもじしているのに気が付いた。

「オラ君、おトイレさん?」
「うん。。。。」

僕は、結構切羽詰っていたので、ママもあわてて帰りの支度をして、教室を出た。

そういうわけで、今回は8分くらいで終わったが、とうとう、教室で普通の声が出るようになった。

posted by なんでさん at 01:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 場面緘黙症治療(Year 1) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年07月21日

電話でのReading(2)

2006年11月22日(水曜日)

2回目の電話でのReading. 

水曜日は、先生方のミーティングがあるので、先生はそれが終わった5時ごろに電話をかけてきた。

いつものようにTVを見ていると電話が鳴った。 ママは電話に出る前に、TVを消すか音を消すか、僕に言って、電話に出た。僕はもちろん、音を消してギリギリまでTVを見ていた。

ママがちょっと先生と話をして、僕に受話器を渡した。

「Hello, Ouranios!」電話の声はいつものように明るかったが、僕は無言。気が気でないママが本の題名を指差したので、そこから読み始めた。

今回の本は、ORT Stage2の“The Dream” だった。

僕が一行読むごとに先生はまた褒めてくれた。 この本は今日学校からもってきたばかりの本で、先生が電話をくれる前に一度ママと練習しただけだったので、ママは側でハラハラしながら聞いていた。

無事に終わると、ママに受話器を渡し、僕はまたTVに戻った。

先生は、僕が今回は前回よりすこし大きな声で読む事が出来たので喜んでいた。
そして、ママにまたシールを一つあげてください、と言って電話を切った。

僕も先生が聞いていても平気になってきたので、すこし大きな声が出せたのかもしれない。

この調子で、次回はもっと大きな声が出るといい。
posted by なんでさん at 01:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 場面緘黙症治療(Year 1) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年07月01日

放課後の会話練習(6)

2006年11月21日(火曜日)

放課後に、学校内をママと歩きながら話をする作戦は、あまりうまく行かなかったので、今日からは放課後,誰もいない教室で、ママと話をすることにした。

誰も入ってこないように、二つある出入り口のドアには、「Don’t disturb」のとかいた紙を張って、10分ぐらいママと二人だけで過ごした。

僕は、誰もいないことをいいことに、ホワイトボードに自由に電車、London、火山の絵を描き、

 「でんしゃ、ロンドン、ボルケーノー!」と、ささやきながらいっぱい描いた。

小さいながらも、言葉を発する事が出来たので、今回は、まずまずの出来だった。

やはり、放課後とはいえ人が行き来する学校内はなかなか落ち着いて話せない。

教室で、誰も入ってこないとなると、安心して声も出やすくなるのだろう。

これからが、楽しみだ。

posted by なんでさん at 03:18| Comment(0) | TrackBack(0) | 場面緘黙症治療(Year 1) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年06月06日

合格


2006年11月18日(土曜日)

朝,いつものようにバレーのレッスンに行った。

僕がスタジオでバレーを習っている間、ママがスタジオの外で待っていると、先生がママのところにやってきて、

「オラ二オス無事に合格しましたよ。HCです。本当によくがんばりましたね。」

と、試験の評価が書かれた紙を渡してくれた。

HCとは何ぞや?と思いママは早速辞書で調べてみた。

それは、Highly Commended の略で、Be highly commended で、激賞されるという意味だそうだ。 4段階で一番いい評価。

評価の対象は5つの項目に分かれており、
1) Exercise
2) Steps and Co-ordination
3) Musical Response and Sense of Movement
4) Presentation
5) Dance a Story

僕はこのどれに対しても、Very Goodをもらった。


ママは、だめ元で、これも何かの練習と思い受けさせたが、こんなに良い結果になるとは夢にも思わず、本当にうれしかった。

僕は、試験というのもよくわからず、ただ先生を見ながら他のお友達と踊っただけなのに。

名前がいえなくても原点されずに無事合格できた事はホッとしたが、いつかはちゃんと名前が言えて、ハンデもなしに合格できる日が来るといいなと思った。


posted by なんでさん at 21:08| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年05月25日

電話でのReading(1)


2006年11月17日(金曜日)

今日はいよいよ先生との電話でのReadingが始まる。

ママと先生が約束した時間に、電話が鳴る。

最初はママが電話に出て、ちょっと先生とお話した。そして僕の番。

僕は渋りながらも、まんざらでもなさそうに、受話器に向かって本を読み始めた。

学校でReading用に使っているOxford Reading TreeシリーズのStage 2の 
“Go-Kart”  をよんだ。

僕は、初めてにもかかわらず、しっかりと声に出して読んだ。 先生は僕がセンテンスを読むごとに、一杯褒めてくれた。

読み終わったあとも、先生はたくさん褒めてくれて、僕は何も言わずに聞いていた。

その後、ママに代ったが、ママと先生は初めてなのに僕が声を出して読んだことに、正直言って驚いたようだ。最初から僕が声を出す事は期待していなかったので二人とも興奮気味。


先生と面と向かうこともなく、家でママもついて居たので、僕も気持ちが楽だったからすんなり出来たのかもしれない。

出だし好調!とわくわくしている二人を尻目に、僕は電話が来る前に見ていたTV番組をまた見始めた。




posted by なんでさん at 05:50| Comment(0) | TrackBack(0) | 場面緘黙症治療(Year 1) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年05月22日

新しい計画(3)


2006年11月15日(水曜日)

目標と対策A
もう一つの目標は、キーワーカーであるMrs Sとの信頼関係をきずき、話が出来るようにすること。そのために立てられた計画は以下のとおり。

1) Mrs Sとのセッションを毎日決まった時間に行う。11時40分からスピーチセラピーの部屋で。ドアには“Do Not Disturb”のサインをかけて、誰も入ってこないようにする。
2) 目標が達成できたらシールがもらえる。
3) テープに僕の声を録音して、担任の先生や他の子供達に聞いてもらうようにする。
4) 最初は、アイコンタクトは必要ではない。
5) 目標は、容易に達成できるものから、すこしづつSmall Step で進める。
6) 毎回、何か新しいものに挑戦していけるようにするが、目標が達成できなくても、次にがんばればよしとする。
7) もし、3回続けて目標が達成できなければ、担任の先生、Mrs S そして保護者とミーティングを行い、もっと適切な働きかけは何か話し合う。


Week begin 13.11.06―この週は、僕が新しいルーティンに慣れ、自信が持てるように,声は出しても、特に話すことは必要としないアクティビティーを行う。

Week begin 20.11.06― 一言で答えられるような、アクティビテーをはじめるが、僕自身のペースを保ち、あせらずにSmall Stepsで進めていく。

* 15の目標を達成できたら、ママから特別なご褒美をもらえるようにする。

このような事を元に、僕の新しい治療プログラムが始まった。
posted by なんでさん at 19:51| Comment(0) | TrackBack(0) | 場面緘黙症治療(Year 1) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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